「われわれはなぜ死ぬのか」 読書感想
を読みました。
なぜこの本を読むに至ったか。
ぼく今大学4年なんですよ。それでまあ就活というものがあるわけなんです。
その中で就活がうまくいかない学生は、就活中盤あたりでこう考えることが鉄板なんです。それは
「自分ってなんで生きてんだ」と。
唐突に生きる理由を探す。笑
これはおそらく就活で初めて、真剣に自分の生き方とかで悩んだってことでしょう。
会社を受けても受けても、祈られ続け、なぜこんなにつらいことをするために
自分は生きないといけないのか、
そう考えるわけです。
NARUTOでマダラが無限月読をした気持ちがひしひしと分かるんですよ。
誰もが幸せなら、それが真実じゃなくて夢の中の世界でもいいんじゃないか。と。
ナルトのやつは僕だけですかね。
ぼくも御多分に漏れず生きる理由みたいなのをその時期に初めて考えるようになった学生で、
就活終わったらそういう疑問について考えさせてくれる本を読もうと考えました。
人間がなんで生きるかって非常に難しい問題だとは思うんですけど、生物学みたいな理系的な側面と、
哲学の文系的な側面から考えることが出来るかなと考えました。
それでその2つを併せ持ったような科学哲学なる分野があるんだと知ったんですね。
科学哲学って要は、科学が発展してきた中で人間がそれをどうとらえて、考えるかかみたいなもんで、(適当)
なんだか惹かれました。
例えば、宇宙とかヒトを作りだしたのは、インテリジェントデザイナー(神)なのか、否か、とかそういう議論ってなんだかワクワクしません?
中2心をまだ忘れていません。
それで大学の図書館でパーっと科学哲学を検索かけまして、この本に出会いました。
感想
はい。少し難しかったです。正直まあまあ飛ばしました。
簡単に概要としては全10章あるうちの、2章までで人間の歴史の中で
どう死を捉えてきたか。
後の8章が生物学的に「死とは」っていうのを解説というか、説明してくれています。
最初の2章はすいすい読めるんですけど、そこから少しね。生物の専門的な情報が多かったです。
僕ばりばりの文系で3年前のセンター試験、生物確か70点ぐらいでしたかね。
まあ高校生物を一通りやっておいたら、ある程度は読めるのではないでしょうか。
割と教科書的に知識を得ることは出来そうです。僕は無理でしたがね。
興味深かったのは、死っていうものが、2種類に類別できるみたいなところですね。
死の起源が2種類で違うんだと。
まず生命誕生まもない、原始の海を想定してみましょう。最初の細胞みたいなものが海を漂っている状態です。
その中で、例えば海の温度がその生物の適応できる温度から下がりすぎたり、上がりすぎたら、当然死にますね。他に栄養を摂取できるものがなくなったり、毒物を摂取したりしても死にます。
「これがおそらくもっとも根源的な死の形態であろう」と筆者は言っています。
もう一つが、自ら選ぶ死です。
原始の地球ではオゾン層がありませんでした。
そのため生物にとって有害な紫外線が降り注いでいたんですね。
なぜ有害かというと生物のDNAを破壊するからです。
そのため生物は傷ついたDNAを修復する機能を得るよう進化しましたが、
さらに修復不可能な傷を負ったDNAを持つ細胞を自ら破壊する機能もまた進化したとされています。
これが筆者はこれを「機構をもった能動的な細胞死」と言っています。
1つ目の死が周りの環境が直接原因となって、残念ながら死んでいるのに対して、
二つ目は自ら死ぬためのシステムを構築して死を選んでいる点で違うということでしょう。
人間で考えてみると、例えば餓死とか、ナイフで刺されての死亡とかが一つ目の死にカテゴライズされる一方で、
老いとか、老衰が二つ目に分けられるのかな。
とか思ってます。
病気はどうなんでしょうね。
そして「われわれはなぜ死ぬか」なんですけど、
一つ目の死の要因は置いといて、
二つ目の「機構を持った能動的な死」のシステムが太古より、私たちの遺伝子に刻まれ続けているから、進化してヒトになっても、いまだ死があるってことなんでしょうか。
ではなぜそのシステムが生じたか、それはダメージを負った細胞を排除するため、
そしてなぜ排除するのかといえば、ダメージを負ったDNAを持つ細胞を排除することによって、他の細胞さんに迷惑かけないようにするためなんじゃないか、
結局他が生きるために死があるんじゃないかと。
生きるために死ぬ
そういうことなのかな。
なんだか誰もが一瞬で思いつく結論に至りました。
でもまあそう考えると死って意味のあるものなんでしょうけど、
残念ながら人間は脳が発達して死を意識できる存在になってしまい
無の概念とか0の概念とかも相まって、死が恐怖そのものになっているんじゃないのかしら。
はい。語ってみました。根拠とかはないです。
生きるってことを、その表裏一体で、必ず最後に訪れる、「死」というもの
から逆算して考えてみるのもおもしろいですね。
では!